SIAM™ 連載 第7話

 

<連載> 次世代ITサービスマネジメントSIAM(R)/ITSM 連載 第7話


 

 

2017年 9月 22日 発行

 

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【 第7話  目次 】

 

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<1>  第7話 SIAM(R)は”as-a-Service”時代のあるべきモデル

 

<2> 読者の皆様と質疑応答

 

<3> 次回のお届け予定内容

 

<4> 関連コースご案内

 

<5>  SIAM(R)BOKおよび日本語書籍(itSMF JAPAN 翻訳)のご紹介

 

<6> EXIN推薦書籍のご案内

 

<7> 日経コンピュータ連載のお知らせ

「現場を元気にするDevOps2.0」

 

<8> 著者紹介

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<1> 第7話 SIAM(R)は”as-a-Service”時代のあるべきモデル

 

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1. はじめに

 

今、製品(モノ)を売る時代からサービス(コト・体験)を売る時代に急速に

シフトしている。

 

ディスラプターと呼ばれるスタートアップ企業の武器はまさにサービスであり、

俊敏性と透明性を利用者の手のひらの中で価値として実現している。

 

サービスとは複数のテクノロジ、組織の組み合わせから構成されている

のだが、独自の強みを持つ他社との協業・共創を軸にビジネスのサービス

シフトが加速しており、サービスを構成する要素はさらに複雑さを増している。

 

IT部門としてはこのような複雑な組み合わせから成るサービスを高効率で

管理し、ビジネスとその利用者に価値を提供し続けなければならない。

 

この時の流れと必要から生まれた考え方がSIAM(R)だ。

 

ではSIAM(R)実現に必要なIT組織の機能と能力、それを実現するツールとは

どのようなものなのか?

 

2. SIAM(R)を定義

 

まずは簡単にSIAM(R)を定義してみる。

 

SIAM(R) : 複数の内部及び外部サービスプロバイダとサプライヤ(外部とは

外部ベンダー)によって提供される個々のサービスを組み合わせ構成される

サービスの統合管理(サービス・インテグレータによって管理される)。

 

ITIL(R)とSIAM(R)を比較するとITIL(R)はより俯瞰的でありIT部門全ての活動、

例えば人材の育成やスキルの管理、組織のあり方、サービス戦略やサービス構築、

セキュリティなどを網羅しているのに対してSIAM(R)はよりサービスを構成する

複雑さに焦点を当てて論理や考え方を展開していると言えるだろう。

 

ITIL(R)がSIAM(R)を含んでいるとも言えるかもしれない。

 

SIAM(R)の定義についてより詳しくは専門の書籍やトレーニング受講などで

確認していただきたい。

 

3. サービスという単位

 

サービスとサービスの組み合わせで構成されるサービスを統合管理するSIAM。

まずはサービスの単位を確認したい。

 

ここではERPを例にとってみる。

 

顧客やユーザがERPを使用する為には、そのERPを構成するH/WやS/W、ネットワーク、

セキュリティそしてそれらを日々オペレーションするITオペレーションが必要だ。

 

加えて、ERP使用にあたって質問や問い合わせ、要求事項など、更には

インシデントや変更要求を受け付け対応する窓口、すなわちサービスデスクが

必要になる。

 

それだけではなく、実質的にERPを使用するPC、携帯端末やプリンター等に

ついてもERPを使う為の端末としてのサポートが必要だ。

 

顧客やユーザの立場からすると、これら全てがまとまって一つのERPという

サービスの単位であり、単にERP(S/W)だけを使用できるようにしても、

Business側顧客やユーザは使えないということになる。

 

4. サービスマネジメントの相関とSIAM階層

 

こんどはERPサービスの単位はどのような組織相関で成り立っているかを考えてみる。

 

そう、非常に複雑な相関である。

 

ERPサービスに責任を持つ部門や それらを支えるハードウェア・サービス、

ネットワーク・サービス、その他のセキュリティ、オンサイトサービス等を提供する内部

IT組織(内部サービスプロバイダ(ITILでは内部サプライヤ))、さらには外部クラウド

サービスやアウトソースしたサービスデスク、マネージドサービスなども関わってくる。

 

このように大変複雑な組織とサービスの相関によってERPサービスは構成されている。

 

5. グローバル化

 

必ずしも日本の国内にサービスデスクがあるわけでもない、データセンターやクラウド

サービスは国外にあったりするのは当たり前になった。またそのオペレーションも

海外のベンダーであるわけだ。

 

ビジネスそのものがグローバルになっているので当然のことと言える。

 

すなわち、ここで強調したいのは一つのサービスは様々なテクノロジ、機能やプロセス、

加えて外部ベンダーの組み合わせから構成されているということだ。

 

SIAM(R)を意識するか実践しているかにかかわらず、すでにほとんどのIT部門は

気づかないでSIAMの考え方の一部を実践していることになる。

 

6. SIAM(R)実現に必要な能力と機能

 

6.1 近代化されたITIL(R) / ITSM

 

それではSIAM(R)実現にはどのような能力と機能がIT組織に必要なのか?

 

当たり前の答えだがITIL(R)/ITSMの適用とその近代化だ。

 

すべてのサービスプロバイダ(内部と外部の)がITIL(R)を基本にしたITサービス

マネジメントを実行していれば、SIAM(R)の実現は容易になる。

 

なぜならSIAM(R)は個別のプロセスについてはITIL(R)を参照しているからだ。

 

グローバルでITオペレーションの言葉の定義やプロセスとテクノロジを標準化し、

オペレーションを可視化して管理できる能力をそれぞれのサービスプロバイダが

身につけていれば、複雑な組み合わせから構成されるサービスの管理は容易になる。

 

すなわちModernize ITSM / ITサービスマネジメントの近代化が最重要だ。

 

単一のクラウドプラットフォームを使用して、ITILを基本としたITサービスマネジメント

を近代化することによって、複数のサービスプロバイダやサプライヤ(場合によっては

グローバルに存在する)が標準的なITSMプロセスを実行し、必要な情報に限って

共有されるということだ。

 

もう少し具体的には、情報、人、プロセスをシームレスに繋ぎ、関係者全員が

継続的に単一のプラットフォーム上でコニュニケーションを取ることができる。

 

そして、統一されたダッシュボードを通して、サービスを完全に可視化し常に状況を

確認できるようにし、コントロールされた状態を維持する。

 

問題が起きているビジネスサービスをただちに特定し、インフラストラクチャや

運用データをレビューし、根本原因や最善の解決策を最短で判断できるようにする。

 

プロアクティブな アナリティクス(分析)機能によって、改善対象領域を容易に

特定し、問題が発生する前に事前に検知し迅速に原因箇所を修復して、

よりスマートに仕事を進めることができるようにする。

 

これがModernize ITSM、 ITIL(R)を基本としたITSMの近代化であり、SIAM(R)

実現を容易にする。

 

ITIL(R)は古いと思われている方もいるらしいが、物を売る時代からサービスを

売る時代にシフトしている現在、ITIL(R)のコンセプトや考え方は今まさに様々な

ところで応用ができる時代になったと言える。

 

7. ITIL(R) / ITSMに加えてSIAMに必要な能力

 

SIAM(R)を実現するにはITSMを近代化させることが重要なわけだが、加えて、

ここに挙げた6つの機能と能力は重要なものとなる。

 

7.1 ベンダーパフォーマンス管理

 

効果的なサービスプロバイダの改善管理。サービスインテグレータ(サービスを

統合管理する階層の組織)にとって、複数のベンダーのパフォーマンスをそれぞれに

可視化して管理できる能力が必要。

 

7.2 サービス・パフォーマンス分析

 

複数のテクノロジ、サービス、人、組織から構成される、統合されたパフォーマンスを

可視化して分析、改善につなげることができる能力。

 

7.3 コスト管理

 

統合されたサービスに対する投資対効果やビジネスゴールとの整合性が管理できる。

全ての費用支出の可視化や効果的にコスト管理する能力。

 

7.4 プロジェクト・ポートフォリオ管理

 

複数のサービスプロバイダにまたがった多くのプロジェクトが実行されることになる。

 

プロジェクトの迅速な実行はもとより、プロジェクト同士、変更との整合性や

インシデントが発生した際のプロジェクトとの関連性などが管理できる能力。

 

7.5 GRC (ガバナンス、リスク、コンプライアンス)

 

複数の企業との協業が必要になる。

 

従って、IT以外の自らの会社の業務が法令に遵守し、不正の発生を防ぎ、

リスクを管理できていなければ、信用をもって他社との協業はできない。

 

GRC、ガバナンス、リスク、コンプライアンスをグローバルで管理、

有効確実性を証明する能力が必要。

 

7.6 セキュリティオペレーション

 

同様に他社との協業はITの情報を共有することになる。

セキュリティの能力が担保できなければ協業を拒否されてしまうだろう。

 

単に機密性だけに焦点を当てたものではなく、完全性、可用性も含めた俯瞰的な

セキュリティオペレーションを有効確実に実行できる、実行できていることを

証明できる能力が必要。

 

Modernize ITSM / ITIL(R)を基本としたITサービスマネジメントの近代化に加えて、

これらの6つの機能と能力を持つことでSIAM(R)をより有効確実にすることができると

考える。

 

そして、ITSMとこれらの機能と能力は統合された一つのデータベース(シングル・

システム・オブ・レコード)で管理される必要がある。

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<2> 読者の皆様との質疑応答

 

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本メルマガでは、双方向性を担保する為、読者の皆様からのご質問を

募集いたします。

 

お寄せ頂いたご質問の中から厳選のうえ、次回以降のメール

マガジンで、ご質問内容と回答を掲載いたします。

 

質問はできるだけ具体的にお書きください。回答もより具体的、

実践的になると思います。

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<3> 次回のお届け予定内容

 

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●第8話●

 

『SIAM(R)実現に必要なIT部門の能力とは』

 

等をお届けいたします。

 

▼今後のお届け予定内容はこちら

http://bit.ly/EXINJP_SIAM_News

 

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<4> 関連コースご案内

 

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▼SIAM(R) ファンデーション 認定コース

◎DIG2 ネクスト株式会社(ePlugOne)

 

ePlugOne教育サービスでは、次世代サービスマネジメントのリーディング

カンパニーとして、SIAM(R)ファンデーション教育認定を日本でいち早く

取得しました。

 

SIAM(R)ファンデーション認定教育では、どのようにマルチサービスプロ

バイダを統合しエンドツーエンドのサービスマネジメント、サービス

ガバナンス、コラボレーションを実現するエコシステムを構築するかの

基礎概念を学ぶ事ができます。

 

◆開催日:10月

2017年10月23日-25日

2017年11月20日-22日

以降、毎月開催

 

詳細はこちら>>

http://bit.ly/DIG2_SIAMF

 

 

◎日本クイント&MIJ共催

 

◆SIAM(R) 紹介セミナ

10月10日 15:00~【東京】(満 席)

10月10日 18:30~【東京】(残席僅)

10月27日 15:00~【大阪】

 

◆SIAM(R)ファンデーションコース

09月13-15日【東京】(実施済)

10月04-06日【大阪】

10月16-18日【東京】

11月20-22日【東京】

11月27-29日【大阪】

以降、毎月 東京/大阪で開催

 

詳細はこちら>>

http://bit.ly/Quint_Japan (日本クイント)

http://bit.ly/MIJ_LLC (MIJ)

 

 

◎ServiceNow Japan株式会社

 

以下ServiceNow社が配信している無料Webセミナー録画です。

ITサービス管理モダナイゼーション(近代化)とSIAMに必要な機能についてさらに

興味を持っていただくことができます。登録のみで視聴が可能です。

 

◆ServiceNowでSIAM(サービス・インテグレーション・アンド・マネジメント)を実現

 

ご登録はこちら>>

http://bit.ly/ServiceNow_SIAM

 

◆ITサービス管理モダナイゼーションによる”Lightspeed”の実現

 

ご登録はこちら>>

http://bit.ly/ServiceNow_Lightspeed

 

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<5>  SIAM(R)BOKおよび日本語書籍(itSMF JAPAN 翻訳)のご紹介

 

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■SIAM(R) BOK(知識体系)のご紹介■

サービスアーキテクト18名で立ち上げた任意団体SCOPISMが、無料で

SIAM(R)Foundation BOKを提供中です。

 

EXIN BCS SIAM(R)認定資格は、このBOKをベースに策定されております。

 

SIAM(R) BOK ダウンロードはこちらから>>

http://bit.ly/SCOPISM_SIAM

 

※ダウンロードには、ご氏名とメールアドレスの入力が必要です。

 

■SIAM(R)日本語書籍のご紹介■

VAN HAREN社発行、SIAM(R)書籍 日本語版が itSMF JAPANの翻訳により

出版されました!SCOPISMの発行時期よりも前のものです。

BOKを読まれた後に読まれるとプラクティスの理解に役立ちます。

 

書籍名

SIAM:サービス・インテグレーションとマネジメントの原則とプラクティス

 

詳細はこちら>>

http://bit.ly/ismf_SIAM

 

※書籍はPDF版のみとなります(印刷不可)

 

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<6> EXIN推薦書籍のご案内

 

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◎DevOpsを理解するのに役立つ書籍、ドキュメント

 

DevOps 1.0;

以下は、全部で3部作シリーズの企画書籍で、日経BP社より出版。2部がようやく

「The DevOpsハンドブック 理論・原則・実践のすべて』として日本語でリリース。

1部はシステム側から見たDevOpsストーリ

2部はCookBookのようにどこからも参照できるもの

3部はユーザー側から見たDevOpsストーリ

 

システムの開発と運用を一体化するDevOpsの理論と実践を徹底解説

●The DevOpsハンドブック 理論・原則・実践のすべて (新刊)

http://bit.ly/book_DevOpsHandbook

 

●The DevOps 逆転だ! (2014年発行)

http://bit.ly/DOPhenix

 

DevOps 2.0;

2.0は1.0と比較して、ビジネス価値を達成するためのDevOpsとなります。

 

EXIN ホワイトペーパ-

●エンタープライズDevOps

DevOpsによるビジネスを支援するIT サービス

http://bit.ly/wp_DevOps_ep_jp

 

●軽量化されたITサービス

http://bit.ly/wp_DevOps_itsm_jp

ITIL Manager/Expertの方が執筆されたEXIN推薦書籍です。

 

●外資系コンサルのビジネス文書作成術

~ロジカルシンキングと文章術によるWord文書の作り方~

http://bit.ly/book_SuccessfulBusiness

●『アポロ13』に学ぶITサービスマネジメント

~映画を観るだけでITILの実践方法がわかる! ~

http://bit.ly/book_Aplio13

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<7> 日経コンピュータ 連載のお知らせ

  「現場を元気にするDevOps2.0」

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当社DevOps Master資格開発者の一人である三井氏が、

日経コンピュータ誌での連載を開始しました。

 

9月14日号からはいよいよ連載第2期です。

 

DevOpsで必要とされるアプローチが満載です。

是非ご一読ください。

 

詳細はこちら>>

http://bit.ly/NikkeiDevOps_jp

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<8> 著者紹介

 

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鈴木 寿夫

DIG2 ネクスト株式会社 代表取締役

ITIL(R)エキスパート/ ITSM スペシャリスト(based on ISO/IEC20000)

講師&コンサルタント

 

東京都在住

在庫管理、販売管理などアプリケーション開発、コンピュータ・ネットワーク

機器のハードウエア保守、ネットワーク技術/ネットワークマネジメントに

関する教育に従事。後に、運用アウトソーシングに携わり、それをきっかけに

ITIL(R)/ITSMの導入、ISO/IEC20000認証取得支援のコンサルおよび

各種講習講師を実施している。

 

三浦 重郎

エムアイジェイ LLC CEO

PMI PMP(R), ITIL(R) Expert, Quint SGF講師

 

IT分野で30年以上の経験を持ち、ITコンサルタント/マネージャ、

PMO、アウトソーシングビジネスマネージャ等の経験を積む。

2003年より日本クイント株式会社にて、ITIL(R) 及びソーシングガバナンスの

トレーニング及びコンサルティングサービスの提供。

 

久納 信之

ServiceNow Japan株式会社 エバンジェリスト

ITIL(R)エキスパート

 

米消費財メーカーにて長年、国内外のシステム構築、導入プロジェクト、

IT オペレーションに従事。1999 年からは ITIL を実践し、ITSM の標準化

と効率化に取り組む。itSMF Japan 設立に参画するとともに ITIL 書籍集の

日本語化に協力。現在はServiceNowにてエバンジェリストとして、CIO に

対するサービスマネジメント戦略のアドバイス、Web メディアへの執筆や

インタビュー対応などを精力的におこなっている。

 

『デジタルビジネスイノベーション=サービスマネジメント!』が標語・

座右の銘。EXIN ITIL マネージャ認定試験採点を担当。

著書として「アポロ 13 に学ぶIT サービスマネジメント」「ITIL 実践の鉄則」

「ITILv3 実装の要点」などがある。

最上 千佳子

日本クイント株式会社 代表取締役社長

ITIL Expert認定講師

 

システムエンジニアとしてオープン系システムの提案、設計、構築、運用、

利用者教育、社内教育など幅広く経験。顧客へのソリューション提供の中で

ITサービスマネジメントに目覚め、2008年ITサービスマネジメントやソーシング

ガバナンスなどの教育とコンサルティングを提供するオランダQuint社の

日本法人 日本クイント株式会社へ入社。2012年3月、代表取締役に就任。

 

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EXIN JAPAN(情報科学試験機関)

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