DevOpsが熱い。DevOpsで新規事業がやり易くなってきている。

~EXIN DevOpsマスタ認定資格者インタビュー~

EXIN DevOpsマスタは、DevOpsの基本概念や知識、実務スキルを確認する上級レベルの認定資格。

受験者はDevOpsを導入し、チームワークを推進しながらアプリケーションとサービスの、ライフサイクルの管理の質を向上させることができるようになる。

近年、DevOpsはプロジェクトやプロセスにも適用されることが多くなってきている。DevOpsマスタによって知識の幅を広げることでITマネジメントに活用できる。

本研修を受講した、株式会社NTTデータの金田晃さんにお話を伺った。

 

◎アジャイルやDevOpsを活用したチーム

──どのようなお仕事をされているのでしょうか?

金田さん: 私は2020年4からスタートした、あるIT系企業様とのアライアンスで、サービス領域における新規事業を創出する部署に属しています。

その前は、クラウド系の部署で、お客様のクラウドサービスの運用を担当していました。

 

──どのような役割を持って加わることになったのですか?

金田さん: 部署でアジャイルやDevOpsを活用したチームを立ち上げることになり、そのチームリーダーを任されています。立ち上げでは、シニアメンバーの下、実働部隊となるチーム作りから始めました。

準備期間はお客様とコミュニケーションを取りながら「アジャイルやDevOpsをやるなら、こういうツールが必要ですよね」と、アトラシアンのConfluenceやJira Software、CI/CD、Jenkinsなどを用意していきました。

その後、お客様と共に実案件を選定し、お客様のPMや事業計画を担当しているメンバーと連携し、弊社側からも協力会社含め、さまざまなメンバーを集めてチームを作りました。

 

──お客様の折衝とチーム作りを担当されたのは大変だったのではないですか。

金田さん: 準備段階ではルール作成やツールの選定がメインでした。実案件が稼働しだすと私は後方でノウハウを整備収集し、展開できるようにすることが役割でした。

 

──ミッションは、新規事業を数多く立ち上げることでしょうか?

金田さん: そうです。新規事業を生み出すのは簡単なことではありませんが実際に動きが出てきており、現状ではリリース済みの案件や、ベータ版として社内での提供中の案件など、様々あり、手応えを感じています。

 

──今まで新規事業に携わってきたことはあるのですか?

金田さん: 純粋な新サービス企画という意味ではありませんでしたが、クラウドサービスのリニューアル企画や運用という立場でサービスを支えてきた知見や、取得していたITILの知識があったので、「サービスとは何か」は分かってはいました。ですが、アジャイルやDevOpsをベースとして新規事業の創出は難しいものがあります。

弊社にはアジャイルに強みを持った部隊があり、そこからDevOpsの経験があるメンバーをアサインすることができました。また、協力会社からの開発メンバーにもアジャイルの基礎の教育と支援を行うことで、実務を軌道に乗せることができました。ただ、DevOpsのCI/CDのところについては開発現場ごとのカスタマイズが必要で、外部のメンバーも交えて、研究しながら取り組む必要がありました。

 

◎資格を取れたことよりも、何度もテキストを読んだことがメリット

──DevOps Masterを取得されています。いつ頃に取られたのですか?

金田さん: 2020年の冬頃です。DevOpsについては業務でも実践しており、大まかには理解していました。社内の関係組織からの情報を活用したり、自分たちで勉強をしてはいたのですが、やはり一度、体系的に知識を整理しておいた方が良いとだろうと考え、上長と相談して取ることにしました。

また、社内のDevOpsというものについては人によっていろいろな考えがあるようで、人によって言うことが違い自分としての考えを整理したいということも理由としてありました。

 

──アジャイルやDevOpsを活用したチームならDevOpsを知っていないと業務にはならないと考えた?

金田さん: そうです。私はチームリーダーとして先頭に立つ必要があります。自分がしっかりと腹落ちして理解していないとお客様に自信を持って説明することができません。

 

──勉強にはどれぐらいかけられたのですか?

金田さん: 50時間ぐらいだったと思います。全部合わせると。

 

──DevOps Masterの試験はいかがでしたか?

金田さん: 考え方が身に染みていないと考えられない、答えられない問題が多かったですね。他の資格試験はいろいろと受けていますが、どれも暗記が多い印象です。けれど、DevOpsは「どっちだろう」と悩むことが多くて。それが難しかったですね。

 

──実務の経験が左右された?

金田さん: それはありました。ただ、実務で全部をやれているわけではないので、基本的な考え方の理解は重要でした。何度もテキストを見ることになったので、資格を取れたことよりも、何度もテキストを読んだことの方が大きなメリットになった気がしています。

 

──受講されていかがでしたでしょうか?

金田さん: 受講前は業務の中で「DevOpsってなんだっけ?」と自問自答することが良くありました。でも、講義を聴いていると、プラクティスよりも考え方の部分が重視されていたので、具体的に「DevOpsはこうだろう」と自分なりに考えられるようになりました。

 

──「DevOpsはこうだろう」とは?

金田さん: 「価値の提供を早くするのが、DevOpsだ」と自分の中で結論になりました。必ずしも、CI/CDがないとDevOpsじゃないとか、ツール=DevOpsではないと理解できました。また、DevOpsのことを聞いても言うことが人によって違うことも腹落ちしました。

お客様に対しても、社内の部隊から話を聞き、自分で勉強して話していたときより、受講して、資格も持って話すのとでは、実感を持っている分、説得力が違うと思います。

 

──お客様をリードできるようになった?

金田さん: 丁度、研修の前後でローンチする案件の体制図を書かなければならなかったのですが、「DevOpsの考え方でいうと、こういう体制にするのが良い」と考えることができました。短期間で効果がありました。

それができたのも、研修教材にそのまま現場で使える考え方が多かったからです。たぶん、講師の方が普段から実務で役に立つことを考えて教材を作ってくれていたのだと思います。そのようなものがたくさんありました。

もちろん、右から左で使えるのではなく、アレンジは必要です。しかし、DevOpsを理解するとアレンジも簡単にできます。

 

──資格を取るために勉強したことが役に立っているのですね。

金田さん: ネットで検索しても、書籍の情報や手法の話ばかりで、あまり良い情報はみつかりません。マネジメントの観点でディスカッションしているものはありません。

大切なのは、全体最適を目指して、いかにアジリティ高く整流化されたデータを一気通貫で流して早くするかです。ツールはさまざまありますが、ツールは必要に応じて変えればいいだけの話。マネジメントではどのような形でチームを作って変革して成果を出すことが価値となります。

事業部のオーナー目線で考えないといけません。DevOpsマスタの研修は、ITエンジニアではなく、体制を整理する担当やマネージャー層が受けるべきだと思いました。

 

◎ローンチしたサービスを成長させてこそDevOpsは活きる

──現在進行形で仕事は続いているわけですが、DevOpsの手法を使うことで形になって来たという感覚はありますか?

金田さん: 先ほど言ったこととは矛盾するのですが、CI/CDはどの案件にも同じように展開できる。開発メンバーもソースを入れればすぐに反映されるので、アジャイルとしてうまく回っています。そこは上手く行っています。

ただ、より重要なのはサービスが成長することで、ローンチして、フィードバックを吸収しながら成長段階に入ったら、本当の意味のDevOpsと言えると考えています。

 

──仕事の変化はありましたか?

金田さん: 2020年は下流というかアジャイル、DevOpsがメインだったのですが、お客様と一緒にどのようなプロセスにすべきかを相談し、パターン作りに取り組んでいます。アジャイル、DevOpsだけでなく、ビジネスのデザインや、アイディエーションを行い、ビジネスの種を作ることにも主戦場は広がっています。そこと滑らかな連携を取らなければなりません。リリースされたものをビジネスの成長にどう繋げて行くか。また、どうしても必要になるさまざまな承認行為をどう整えてアジリティを上げていくか。そこを今、整理しています。

 

──今後もDevOpsの知識は活かせそうですか?

金田さん: 活かせると考えています。今後はリリースしたサービスを成長させて行かなければなりません。グロースハックや継続的な価値提供が次に重要になってくると思っていますが、DevOpsの知識をベースして考えることができます。

 

──今までやられてきたクラウド運用とはかなり違いますか?

金田さん: ITILやPMPの資格は持っています、ITIL4の考え方にリーンやTPSが入ってきているところなので、その延長線上ではあったかなと思います。

 

──新規事業は、どこでもトライしてもなかなか上手く行かないところだと思います。どうすれば上手く行くのでしょうか?

金田さん: まだ、実践してできているわけではありませんが、思うのは、リリースした後、思いもよらない使われ方をされることもあります。リリースした後の早急な改善が大事だと思っています。

 

──まさにアジャイルが重要だということですね。

金田さん: そうです。今、アジャイルやDevOpsが熱いと感じます。アジャイルやDevOpsで新規事業がやりやすくなってきているのだと思います。

 

──アジャイルやDevOpsが熱い?

金田さん: 今まではアジャイルの話をしても、「そういうのがあるよね」と軽く受け止められていました。それがお客様と打ち合わせをしていると、「アジャイルでやりましょう」と先方から話が出てくるようになりました。考え方が浸透してきているというか、やらないといけないとなっている。我々にとっては追い風だと感じます。

 

──貴重なお話、ありがとうございました。

 

 

 

【プロフィール】

◎金田晃氏

株式会社NTTデータ

製造ITイノベーション事業本部
第五製造事業部 コネクティッド総括部 第二開発部
課長代理

記事のPDF版はこちら:NTTData-DevOpsMasterMr.Kanada