VeriSM™は上流に行くために必要なスキル。 学ぶことで自分の引き出しが増える。

企業が生き残るためには、新規ビジネスの創造と、業務改善の両方が不可欠だ。企業を革新させるのはリーダーの役目とされる現在、リーダーに求められるスキルは複雑かつ、高度になっている。

企業が最新のデジタル技術を駆使して、戦略やプロダクト、業務プロセスなどを変革させて行く、DX(デジタルトランスフォーメーション/デジタル変革)において有益なスキルがVeriSM™である。

企業改革を担うリーダーにとってVeriSM™は必須と語る、京セラコミュニケーションシステム株式会社 プラットフォーム事業部 事業企画課責任者の慶松寿洋(けいまつ としひろ)さんにVeriSM™の活用方法、可能性を伺った。

慶松寿洋さん

 

◎ VeriSM™を学んだことで情報を俯瞰してみることができる

 事業内容を教えてください。

 慶松さん:

京セラコミュニケーションシステムは、ICT、通信エンジニアリング、環境エネルギーエンジニアリング、経営コンサルティングの4つのドメインを展開しています。私はそのなかのICTの事業体に所属しています。

私は新卒で入社し、システムの運用管理、運用設計、サービスマネジメントに従事してきましたが、2017年頃からは事業全体の戦略検討や新規サービスの企画立案、部門横断的な業務改善を推進する部門の責任者を担当しています。

私の役割が大きく変わった背景には、所属部門の事業領域が広がってきたことや、さらなる事業発展のためには新しいビジネスを考える専門の部隊が必要になったことがあります。

 

社会の環境変化に合わせて、役割が新しいビジネス企画へと変わっていったのですね。

慶松さん:

そうです。サービスマネジメントをやっていたころはお客様のシステムを預かって、運用保守を行うことがメインでしたが、現在は新しいサービス・価値をお客様に提案することが求められています。

そのため、特定のお客様のことだけを見るのではなく、もっと広い視野で、世の中や業界に眼を向けなければいけなくなっていることが背景としてありました。

 

VeriSMに着目したのはどうしてでしょう?

慶松さん:

私は、2009年にITIL® ExpertとITIL® Managerを取りましたが、言い方は悪いですが、自らの意思ではなく会社からの指示でした。

しかし、その後、サービスマネジメントの世界に従事したことで、世の中のベストプラクティスやフレームワークを知っていることの重要性を、実際に案件対応していくなかで痛感しましたそのため、その後もEXIN Agile Scrum FoundationやSIAM™といった資格を取り、その流れからVeriSM™を取ることにしました。

 

DX、イノベーションという文脈の中で気づかれたのですか。

慶松さん:

正直、GoogleやAmazonのようなデジタルディスラプター(創造的破壊者)が出てくると、同じ領域で勝負するのは難しいものがあります。私たちとしての新しい強みを作っていく必要があり、DXやイノベーションというキーワードが他人事ではなくなってきた、と感じることがここ数年ありました。

そこへデジタル時代のサービスマネジメントのフレームワークと呼ばれるVeriSM™の情報を耳にし、学んでみようと思いました。

 

その、フレームワークの重要性を教えてください。

慶松さん:

フレームワークの良いところは全体を網羅できることです。例えば、私は立場上、組織の上層部と話をすることが多いのですが、色々な視点での意見が飛び交います。フレームワークを理解し全体像を捉えたうえで会話することで「今のこの発言は、全体のなかのこの部分を言っているのだな」ということが瞬時に整理することができます。また、話が発散した場合でも「今の議論は、要は〇〇とxxと▲▲の3つの話があり・・・」というような抽象化して収束する技術が身につくと考えています。こういった能力は自信の強みになってきていると感じています。

VeriSM™を学んだことで情報をより俯瞰してみることができるようになりました。

 

VeriSMDX推進での原点

VeriSMを知った切っ掛けはなんだったのでしょうか?

慶松さん:

EXINから「VeriSM™がスタートした」という情報が入り、それを見た時から気になっていました。立場上、情報のキャッチアップには努めており、最近のトレンドでもあるDXや企業改革に取り組むために必要な知識が網羅されているという印象を持ちました。

もちろん、ITIL®などを通してメリットの高い知識だと実体験としてわかっていたことも理由にあります。

 

 実際に受講されていかがでしたでしょうか?

慶松さん:

新たな大発見があったというより、「それは確かにそうだよね」という感じです。情報が体系的に整理されていて、物事の全体像が分かるということが良かったです。個人的には全体像やベストプラクティス、セオリーが分かった上で、自分なりにカスタマイズすることが良いと思っています。全体像やセオリーをわからないまま自己流でやるのは危険なのではないでしょうか。

また、手順や考え方だけでなく、企業カルチャーや人材の重要性についてもちゃんと言及しているのは良いと思いました。私たちも、今まさに組織のカルチャーをどうしていくべきかの議論をしているところです。とても共感できます。

 

 企業カルチャーに取組んでいるのですね。

慶松さん:

例えば、VeriSM™には、組織的なイノベーションを起こすための最初ステップとして、まず「危機意識の創出」とあり、次が「推進チームの形成」「ビジョンの策定」という順番です。

私たちの課題を整理していくと「ビジョン」「戦略」の問題にいきがちなのですが、実はよくよく議論していると、そもそも危機意識(マインド)のレベル感があっていないということに気が付きました。危機意識がそろっていない状態で、いくらビジョン・戦略の話をしても、前に進まないことが多く、VeriSM™の観点で「この状態でビジョン・戦略を議論しても仕方ない。世の中のセオリーはこう言われています。だから、まずここにいるメンバーのマインドを揃えるべきだ。」と提案すると周囲から「それは確かにそうだ」と同意してくれました。その気づきになった、という点においてはとても役に立っています。

 

 VeriSM は役に立っているのですね。

慶松さん:

VeriSM™DXを推進する組織や人にとって、マネジメントの観点から必要なことが網羅されています。 教科書というか、原点としての使い方ができると思っています。迷ったときに「そういえば、VeriSM™ ではなんて言っていたっけ?」と見直すのにとても便利だと思います。

私たちの部門は、昔からサービスマネジメントの領域を脱却し、上流工程やコンサル領域を目指して散々話をしているのですが、なかなか上手くいっていません。何故なら、経験と知識は持っているのですが、体系的に整理する方法や、見せ方が我流であるということが理由にあったからです。

VeriSM™ は上流に行くための必要なスキルのひとつだと考えました。「世の中のセオリー、ベストプラクティスはこうです」と話ができることがコンサルでは大切だと思います。VeriSM™ のようなフレームワークを学ぶことで自分の引き出しを増やすことは非常に重要なことだと思います。

 

 やはり、時代としても上流に向かうべきですか?

慶松さん:

そう思います。さまざまなテクノロジーが登場している現代において、1社だけで新しいサービスを開発するのは不可能です。それに時代の変化に対応できるスピードも出ません。もっと多くのパートナーと組んで共創していくことが求められます。そのときにVeriSM™ が共通言語として必要だと考えています。

 

 リーダーはVeriSM™を世の中のセオリーとして理解していた方が良い

 VeriSM を社内に横展開はしないのですか?

慶松さん:

今はまだしていません。この手の資格は、強制的に取得させても効果が薄いと考えており、必要とする人が必要なタイミングで学んだほうが効果は大きいと考えています。今はまだ、私が情報を発信することで「詳しく教えて欲しい」と言われたときに展開すればいいと思っています。

ただし、上流に向かうためには、いずれは論理武装のためVeriSM™ が求められる時期がくるでしょう。

 

 どのような人にVeriSM™ は適しているでしょうか?

慶松さん:

現場レベルでは、初期段階はあまり必要ではないかもしれません。もちろん、方向性が定まってきたら現場でも理解しなければなりません。しかし、その前にまず、企業を変革するチームが最初に理解することだと思います。

もちろん、誰でもVeriSM™を知っておくことは無駄にはなりません。どのタイミングで受講させるのかを見据える必要はある、ということです。

 

 具体的にはどのような人なら必要でしょう?

慶松さん:

組織を変革するのはリーダーの役割です。組織のリーダーであればVeriSM™は世の中のセオリーとして理解していた方が良いと思います。同様に経営戦略を考える立場の人も学んでいた方が良いと思います。

 

 受講を考えている人へのアドバイスはありますか?

慶松さん:

VeriSM™は目新しいものがあるわけではありません。しかし、幅広い知識を柔軟に取り入れようとする姿勢がベースになければいけないと考えています。当たり前と思っていることでも体系的に知っているのと、知らないのでは全く違います。さらに誰かに発信しようと思ったら、部分的な話をするのではなく、「全体像はこうで、まずはこの部分です」と説明する方が伝わりやすいからです。

 

試験は難しくないと聞いていたのですが、受けるときは緊張しました。無事に合格できて安堵しました。

ただ、私が受けたのはファンデーションレベルで概念的なことです。具体的に実行するにはまだ情報が足りていないと思っており、プロフェッショナルを勉強しなければいけないと感じています。その意味では自分に足りなかったこともわかり、もっと深く学ぼうというマインドにもなったので、プラスだと思っています。

 

 イノベーションは起こせそうですか?

 慶松さん:

本当に難しいと実感しています。「危機感を高める」と言葉で言うのは簡単ですが、そう言えばみんな、「危機感は持っている」と言います。「あなたには危機感がない」と言われるとカチンともきますが、危機感のレベル感は人によってまちまちです。それをいかに統一したマインドにするかが難しいところです。

私たちはまだまだ、受託SIが主で、お客様固有の課題を解決することがメインです。もちろん、私たちがシステムを構築することで課題が解決できるのは素晴らしいことですが、新しいサービスを創造するには、社会を見て、「どんな価値を生むべきか」という大きな視点を持たなければなりません。

従来の世界で戦ってきた人たちに「もっと視野を広げましょう」というのは失礼な話ですし、「マインドやカルチャーを変えましょう」と言ってもなかなか一筋縄ではいきません。幸い、私たちはリーダーが危機意識を持っているので、まずはリーダー間でマインドを合わせることに注力し、一気呵成に進めていきたいと思います。

 

 

 

 

【プロフィール】

慶松 寿洋(けいまつ としひろ)

京セラコミュニケーションシステム株式会社
プラットフォーム事業部
事業企画課/BPR課責任者

ITIL® Manager/ITIL® Expert
EXIN Agile Scrum Foundation
EXIN BCS SIAM™ Foundation
VeriSM™ Foundation

 

 

 

 

 

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