ITサービスマネジメントをコンサルタントの基礎力に。

EXINとのパートナーシップ締結で人材育成を強化

~EXINプログラムの研修で事業を加速させる~

アビームコンサルティング株式会社はEXINと研修のパートナーシップを締結した。

これによって、アビームコンサルティングは、EXINが提供する教材を活用しながら、自社内およびお客様への教育サービスの提供が可能になる。

 今回は、アビームコンサルティング デジタルテクノロジービジネスユニットITMSセクターの加藤明さんと加藤守さんにお話を伺った。

 

◎社内教育に加えて最新の知識を補完する

 ─アビームコンサルティングは、どのような企業なのでしょうか?

加藤守さん:  弊社は創業以来、「Real Partner®」を経営理念に掲げ、お客様が取り組む企業や組織の変革に対し、戦略立案からその実行、オペレーションまでを実現する総合力を活かしたコンサルティングサービスを提供し続けています。また、日本法人の海外展開において、グローバルなERP基幹システムの導入・刷新プロジェクトをはじめとした、豊富な海外展開の支援実績を有しています。

 

加藤明さん:  弊社は日本発・アジア発のグローバルコンサルティングファームです。社名は「Asian Beam(アジアの光線)」に由来しており、グローバルの中でも特にアジアのマーケットにおいて、日本企業のさらなる成長を支援し続けるパートナーになることを重点的に取り組んでいます。

 

─お二人はどのような部署でどのような業務をされているのでしょうか?

加藤守さん:  我々はデジタルテクノロジービジネスユニットのITMS(ITマネジメント&サービス)セクターに属しています。デジタルテクノロジービジネスユニットは、デジタルテクノロジー、特にデータドリブンな変革やICTの組み合わせによるDXビジネスの創造と提供価値の向上を支援する部署です。その中でもITMSセクターは、構想策定から構築・運用までのライフサイクルベースでコンサルティングを行う中で「デジタル×IT」による変革の実現支援を業務としています。

 

─EXINと研修のパートナーシップを結んだのはどのような意図があったのでしょうか?

加藤守さん:  弊社はコンサルタントの基礎力としてロジカルシンキングや問題解決、プロジェクトマネジメント等に関する研修を社内研修として行っています。EXIN社の SIAMTM、VeriSMTM 等の研修を取り入れることを計画したのは、既存の社内研修に加えて、グローバルの最新知見を取り入れたいと考えたからです。自社で開発することも可能ですが、費用対効果の観点でEXIN JAPAN社とのパートナーシップを推進させていただきました。

 

─社内研修は充実されている。そこにさらに加える。何を求めていたのでしょうか?

加藤明さん:  本パートナーシップは、EXIN社から提供される教材をベースに、弊社の知見をもとにカスタマイズして教育を行うことができる仕様でした。また、教育の対象が社内だけではなく、お客様への提供も可能で、認定資格も取得できる点が魅力的でした。

 

加藤守さん:  弊社は運用保守のプロジェクトであればITIL®ベースでプロセス及びツールを導入しており、弊社独自のツールや方法論はあります。それらを用いれば一定の品質を効率的・効果的に提供することは可能ですが、お客様を理解し、最適なITSMコンサルティングを提供するには、その背景を含めた原理原則をしっかりと理解し、応用できることが重要です。

外部研修を受講することもありますが、プロジェクト業務が忙しくてなかなか参加できないこともあります。

今回の取組みを利用すれば、ITSMの知見を効率的に社内に広げることが可能と判断しました。

 

─そこにメリットを感じたわけですね。

加藤明さん:  はい。少し話が変わりますが、これまでの歴史に立ち戻ってみたいと思います。現状のITサービスマネジメントは、ITIL®のVersion2や3といった旧来の知識が中心で、特に日本においては運用保守のフェーズだけにフォーカスされてきました。

しかし昨今のデジタル時代においては、例えばDXを推進するとなった場合、企画から運用保守まで、皆で1つのサービスを共創するという思想でチームを組成して業務に当たらなければなりません。それはIT部門に限らず、事業部門も含めてです。また、これまでのウォーターフォール型のプロジェクト管理やITIL®ベースの運用保守に加えて、AgileやDevOpsとの連携も必要となり、より柔軟かつ動的なマネジメントが求められます。

それらを考慮した最適なマネジメントの仕組みへ移行するためには、知識のアップデートは早急に行う必要があり、その解決策としてEXIN社のコンテンツに含まれる、VeriSMTMやSIAMTMを活用しました。

 

同時に、これら知識は我々だけが知っていれば良いのではなく、お客様も基礎レベルの知識を持った上で、一緒にプロジェクトを推進していく必要があります。基礎レベルを関係者全員が理解することは、プロジェクト成功の要諦であり、我々はコンサルティングサービスの一部に教育を組み込むことで実現しています。

 

加藤守さん:  もう1つ重要なことがあります。それは、お客様に必要性を理解してもらうことです。正直、教科書通りに「SIAM™ベースの体制・プロセス・ツールを導入しましょう」と提案してもお客様には響きません。「なるほど!」と思える理由が必要です。弊社は、「何故マルチサービスプロバイダの管理が必要なのか?」「SIAM™が何故有効なのか?」をお客様とワークショップで議論し、具体的な言葉として可視化します。

一例をあげると、「エンドツーエンドのサービス品質保証」というSIAM™による効果があります。これがなぜ重要かを議論することで可視化します。議論の結果、そのお客様環境では、各サービスプロバイダのSLA(サービス品質保証)が個別に締結されており、サービスをエンドツーエンドで見た場合、サービス品質を満たせる契約ではないということが可視化されました。また、クラウドサービスを一部利用していたこともあり、その制約も考慮されておらず、年に数回業務停止が発生するような重大障害が発生していました。このように現状課題を議論の中で可視化し、SIAM™適用効果とマッピングすることで、その必要性に対する納得感は高まります。

 

加藤明さん:  お客様と一緒に議論するワークショップは本当にプロジェクトを成功させる上で、価値があるステップだと感じています。お互いに目線合わせができますし、教科書的な知識に留まらない、実効性のあるサービスマネジメント設計を実現できます。

 

加藤守さん:  サービスマネジメント以外でも人材の育成という観点で課題感を持たれているお客様は多くいます。弊社はサービスマネジメントに加えて、AgileやDevOpsなどのラインナップを整理し、お客様からのご要望があった時にご提供しています。

 

◎ITからビジネスへ。コンサルタントの基礎力として育成を強化

 

─そもそも、なぜ、ITMSセクターが、全社で行う研修に取り組むことになったのですか?

加藤明さん:  我々は、IT部門を主としてITライフサイクル全般のマネジメント業務のご支援をさせて頂いていますが、ITサービスマネジメントの知識は、ITライフサイクル全般に関わるすべてのコンサルタントに必要です。加えて、すべてがサービス化するデジタル時代においては、DXに関わる事業担当者及び支援するコンサルタントにも必須の知識だと考えています。

 

─どのようにして経営層から了解をもらったのでしょう?

加藤守さん:  私がSIAMTMを知って、マルチサービスプロバイダの管理に使えるフレームワークだと上司やマネージャー仲間、役員に話をして回ったことがスタートです。ただ、必要性を理解してもらうのにそれほど時間はかかりませんでした。今の時代、一社のサービスプロバイダでサービスを運営することはほとんどありませんし、こういった新しい取り組みに対して、弊社は積極的に後押ししてくれる企業文化があります。

 

─経営層の理解が得られたら、次は実務レベル層への浸透が必要になって行くと思います。

加藤守さん:  当初、社内SNS情報発信をしていた時は、あまり反応はありませんでした。その為、一方的な情報発信から、社内勉強会に登壇してITSMの定義やVeriSMTMやSIAMTMの概要をインタラクティブなウェビナー形式で啓蒙することで社内の認知度を上げて行きました。

 

加藤明さん:  弊社のコンサルタントは、「お客様にとって何が一番良いか」を常に考えています。「お客様にとって価値があるとことなら自分も参加したい」という気持ちがベースにあるので、勉強会等で認知度が上がってからは積極的に学習の機会を活用してくれています。

 

─今後、どのように展開することを計画されているのでしょうか?

加藤明さん:  最低でも2か月に1度は社内研修を開催しようと考えています。まずは、SIAMTMを中心に行いながら、次にVeriSMTM。ただ、VeriSMTMを理解して欲しいターゲットとSIAMTMを理解してもらいたいターゲットは少し異なるので、対象をどう選択するか検討しています。

ビジネスに関わるコンサルタントも学んで欲しいし、シニアマネージャー以上にも広げていきたいです。弊社のDXにもVeriSMTMは活用できますので、学んでほしい人にうまく研修が提供できるよう設計していきたいと思います。

 

─大掛かりに広げて行くことをお考えなのですね。

加藤明さん:  まずは、業務にダイレクトにつながるメンバーを中心に展開し、徐々にビジネスコンサルタント、戦略コンサルタントにも理解してもらう。直近ではアウトソーシングメンバーやサービスマネジメントのメンバー、プロジェクトマネジメントのメンバー。その後、企画、戦略、経営、ビジネスに広げて行きたいと考えています。

─お話、ありがとうございました。

 

 

 

【プロフィール】

アビームコンサルティング株式会社

◎加藤明氏 
デジタルテクノロジービジネスユニット ITMSセクター シニアマネージャー
SIAM™ Professional / DevOps Professional / VeriSM™ Professional
/ ITIL® 4 Managing Professional/

 

◎加藤守氏 
デジタルテクノロジービジネスユニット ITMSセクター マネージャー
SIAM™ Professional / Service Integration Manager / VeriSM™ Professional
/ ITIL® 4 Managing Professional

記事のPDF版はこちら:ABeam-Interview20211124