VeriSMとSIAMの知識を活用して、 日本のDXをさらに推進させる

~受講者インタビュー~

企業にとってITの活用は、もはや当然のこととなった。現在ではITをいかにして戦略的に有効活用するのかを考えるフェーズへと移行している。そこで提唱されているのがDXだ。

 DXとは、デジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)のこと。最新のデジタル技術を駆使して、企業が戦略やプロダクト、業務フローなどを変革させて行くことをいう。そして、そのDXを推進させるために有益なスキルがVeriSM™SIAM™である。

今の時代の、激しい変化に悩みを持つ企業は多い。そのような企業が求めているのは、理解しやすい提案だ。VeriSM とSIAMの知識は悩める企業の道しるべになる。

日本マイクロソフト株式会社 マーケティング&オペレーションズ部門 ソリューションアセスメント推進本部は、従来の業務スタイルから、お客様にとって価値ある提案を行うため、コンサルティングチームへと舵を切ったという。そこで役立っているのがVeriSM™(ベリズム)とSIAM™(サイアム)だ。

手島伸行さん(マーケティング&オペレーションズ部門 ソリューションアセスメント推進本部 本部長)、三浦俊平太さん(マーケティング&オペレーションズ ソリューションアセスメント推進本部 部長)、加藤寛二さん(クラウド&ソリューション事業本部 マイクロソフト テクノロジーセンター)にVeriSM™とSIAM™の活用方法、可能性を伺った。

 

◎VeriSM™とSIAM™でアセスメントだけに終わらないアドバイスを

ソリューションアセスメント推進本部では、どのような業務をされているのですか?

三浦さん:ソリューションアセスメント推進本部は従来行っていた、お客様のソフトウェア資産を管理する、という業務スタイルから脱却し、お客様にクラウドシステムやDXを知っていただき、活用していただくことを支援するアセスメント(評価)部隊として活動しています。

手島さん:我々は「製品を売ります」とか「Azureを導入してください」という、直接のアカウント営業部隊ではなく、お客様の業務システムやサーバーなどIT資産の現状把握をし、可視化するご支援を行っています。

現状をしっかりとアセスメントをしたうえで、お客様にとって最適なソリューションとは何かをお客様と一緒に考え、営業部隊やパートナーソリューションに結び付ける、いってみればガイド役です。

実はこの現状把握することは難しく、お客様としても何をどこから手を付ければ良いのかわからない、というのが実情です。もっとも我々としてもお客様のIT資産すべてを完璧に現状把握することは困難です。というのは、ツール等では検出できないオフラインの IT 資産や、お客様が存在すら把握していないシャドー ITなど、見落としているものがあるからです。しかし、現状把握を行わないでDXをする(ハイブリット環境を作る、新たなソリューションを導入する)と、さらに複雑な環境に陥ってしまうだけです。

アセスメントすればすべてが上手くいくということではありませんが、少なくともアセスメントを実施したお客様からは「やって良かった」という評価を必ずいただいています。また、パートナー様からも(経営層が IT の現状を正しく理解することで)「商談がスムーズに進んだ」「自社ソリューション導入のきっかけになった」とフィードバックをいただくことが多く、それが我々の業務の醍醐味になっています。

 

直接的な営業部隊ではないんですね。

 手島さん:そうです。我々の営業部門やパートナー様と連携してお客様に最適なソリューションをご提案するのが業務です。いってみれば、コンサルタントに近い立ち位置です。

我々がお客様を訪問すると製品サービスやAzureの営業だと思われることも多いのですが、そうではなく、アセスメントを通してお客様も気づかれていない問題や課題を可視化して、お客様にとって最適なソリューションとは何なのか、何をオンプレとして残して、何をクラウド化すべきなのかということをお客様と一緒に考えることに主眼をおいています。

 

いつ、SIAM™を知ったのですか?

 三浦さん:私は2018年11月に現在の部署に異動しましたが、以前はサポート部門で運用改善やサーバーや運用管理製品の担当を10年ほど取り組んでいました。

そこでお客様が運用管理ツールが乱立していて困っている、という状況を目の当たりにしてました。そのため、お客様には「運用管理ツールは統合して一か所で見るべきだ」とお話しをしていました。しかし、運用管理ツールがひとつになったとしても、運用そのものがひとつになるとも限りません。解決を探っていたところに技術部の同僚からマイクロソフトの(※)MOFに似ているSIAM™というものがあると教えてもらいました。それが2017年3月でした。

 

丁度、その頃に、アセスメントを行っているお客様から、「クラウドを活用する際、運用は今後、どうすればよいのだろう」と相談をいただくケースが増えてきました。SIAM™はIT組織がITサービスをシームレスに管理する際に、マルチサービス提供者を利活用する方法論です。この、SIAM™が唱える方法論はお客様が今、求めているものだと思いました。

 

特に日本のお客様はアウトソースをしたり、IT部門の人数も限られていて大変だという状況を考えるとSIAM™で見て行く必要があると思いました。

SIAM™の知識を取り入れることでアセスメントだけに終わらないアドバイスができるになると考えました。さらに我々がSIAM™ベースで運用をアセスメントすることができれば、お客様に貢献できると思いました。

(※)MOF(Microsoft Operations Framework)。コンピュータ・システムの運用/管理を系統立てて行うためにMicrosoftが作成したフレームワーク。システムの運用プロセスを「変更」「運用」「サポート」「最適化」の4つの領域にモデル化した「プロセス・モデル」。

 

解決策を探るなかでSIAM™と出会ったのですね。

 手島さん:三浦が私の部門に来たことで、SIAM™を知り、同時に VeriSM™も知りました。 VeriSM™DX時代に求められるビジネスとITの柔軟なマネジメントモデルです。

長らくソフトウェアの資産管理業務に携わってきましたが、SIAM™やVeriSM™の思想は、私が取り組んできた業務の延長線上にあり、考え方や必要性が非常に納得できました。

現状把握のご支援といってもお客様のIT資産の一部にしか関われなかったり、お客様が管轄する組織の単位でしかご支援できなかったりということが往々にしてあります。そのため、IT資産や運用管理をお客様の組織全体で最適化することがとても難しいという課題がありました。お客様に「全体を把握し見える化することではじめて立ち位置がわかり、正しい判断ができる」と言い続けていましたが、お客様にはなかなか理解していただけなかったんです。

ITILで言われている、サービスプロバイダーとして運用管理業務をマネジメントして行くという考え方は良いのですが、組織全体で考えたとき、整合性が取れないという問題があるのではないかと思っていました。

それが、SIAM™の複数のサービスプロバイダー間のインテグレーションを最適化してマネジメントして行く、という考え方はとても腑に落ちました。この考え方でお客様に説明すると理解していただけると思いました。

 

それで、SIAM™を活用されようと思ったのですね。

 三浦さん:そうです。チーム全員でSIAM™を理解して、お客様がクラウドにシフトしたときでも運用が成り立つように支援しています。

 

◎SIAM™とVeriSMは日本の企業は理解すべき

そもそもどうして企業は資産管理ができていないのでしょうか?

 手島さん:いろいろあると思います。ひとつには情報システム部門がユーザー部門からの要望をそのまま受けシステムを作り込んだり、コスト重視のあまり全体整合性が取れていないシステムが出来上がったり、SIerに丸投げだったりすることが原因と思います。またメンテナンスや修正を繰り返し、システムが複雑になりサイロ化してしまったことなども要因の一つだと思います。

欧米ではパッケージシステムを上手く活用するのに、日本ではフルカスタマイズでシステムを構築することが多いです。その結果、システムが老朽化した今、メンテナンスすら困難だというのが、日本独自のIT進化30年の負の歴史ではないでしょうか。

 

システムはフルカイタマイズするものだという考え方が日本にはありますね。

 手島さん:日本でDXが進まないのはフルカイタマイズがひとつの要因だと思います。

三浦さん:フルカイタマイズされたものがひとつの会社のなかに数十もあるので、統合するのはなかなか難しいものです。フルカイタマイズされているものをすべて現状把握して運用するとなると負荷でし かありません。やはり、運用を前提に考えなければなりません。

本当の運用最適化とはどういうものだろうと考え続てきたところでSIAM™を知り、ITILベースからSIAM™を取り入れることで少し楽になってきたところはあります。

お客様に話を伺っていると、データセンターではデータセンターの運用モデル。Azureを導入するとAzure用の運用環境。別のクラウドも使うとなるとそれの運用環境を作るとおっしゃいます。我々は「それでは非効率ですよね」と話をしていますが、なかなか通じないこともあります。そんなときにSIAM™の話をするとお客様は理解してくれます。

アウトソーシングに依存し過ぎていたり、コストばかりがかさんでいるお客様は多いのではないでしょうか。相談を受けるなかでSIAM™の話をすると「確かにそうだよね」という声をいただきます。

 

お客様にどのように提案されているのですか?

 手島さん:私は、VeriSM™ とSIAM™の両方を学んだのですが、特に VeriSM™の考え方はどの日本企業でも、経営者から担当者まで理解すべきだと考えています。SIAM™はどのようにサービスをインテグレートするかという話ですが、VeriSMはIT部門だけでなく、HRでもファイナンスでも、営業部門でもすべての部門に関係する考え方です。特に、現在働き改革などで業務のデジタル化を推進しようとしている企業は、VeriSM™を理解して、その次にSIAM™を理解すると、企業全体のパフォーマンスが上がるでしょう。しかしまだこのことに気がついていないお客様も多いのが実情です。我々はなんとかしてそこに切り込んでいかなければいけないと思っています。

危惧しているのは、提案する側が「このソリューションを導入すればDXになります」とか、お客様も「クラウドを導入してライバルに追いつきたい」と考えていることです。正しい現状把握もせずに部分的なデジタルソリューションを導入しても会社の DX変革は起きません。そのことを多くのお客様に知ってもらうよう訴求していきたいです。

 

日本企業は簡単に考えすぎ、ということですね。

 三浦さん:今の日本の企業は考える時期に来ていると思います。日本企業は社内のことしか考えていないように思えます。インサイドアウトからアウトサイドインへの考えです。消費者のことも考えて、ITで本当に貢献できているかを見直す時期に来ています。

VeriSM™ やSIAM™の話をすると危機感を持っているお客様は「すぐに取り入れたい」とおっしゃいます。しかし、そうでもないお客様は「今は別にいい」と・・・。二極化している気がします。

やはり、そこを崩し行くのは難しく、言い続けるしかありません。そこは日々の悩みでもあります。

 

◎SIAM™とVeriSMの上位資格を取り広い視野から支援したい

SIAM™を受講されたことで変わったことはありますか?

 手島さん:私と三浦だけでなくチーム全員で、SIAM™を2019年4月に、VeriSMを2019年6月に受講し、資格を取りました。

資格を取り正しい知識を身に着けたことでこれまで自己流でお客様に訴求していたことの裏付けができ自信がつきました。DXの推進をここ数年提案してきましたが、DX は範囲が広いので人によって解釈に違いがありました。それがVeriSM™とSIAM™によって論理的に説明することができるようになり、アプローチの仕方が変わりました。

三浦さん:今まで個人的に勉強をしてきた知識や経験から話していたことが、確信に変わった部分はあります。資格を取ったことで、なんとなく話していた部分に自信を持てるようになりました。お客様にも資格を持っていると言うことで信用にもつながります。

 

別に資格を取る必要はなかったとは思いませんでしたか?

手島さん:それはないですね(笑)。マネージメントシステムのベースの考え方は同じですが、VeriSM™とSIAM™ は DX 時代の最新の考え方なので、知識として理解しそれがバックボーンとしてあるというのは、とても助かります。

三浦さん:欧米では内製化が普通なのですが、日本はSIerに依存するという日本独特の環境から抜け出せないで苦しんでいるお客様はいます。そんなお客様のために、我々はVeriSM™とSIAM™の上位資格を取って、さらに広い視野から支援したいと考えています。

手島さん:SIerも変わらなければいけないと解っていますが、利害関係などもあり変えられない部分もあると思います。お客様に VeriSM™やSIAM™の体系立てた考え方の話をするとやっとゼロの視点に戻って考え直そうとおっしゃいます。

お客様がベンダー任せの考え方から、自社の変革をどうするのかを考えることがスタート。そのためにVeriSM™とSIAM™を啓発する。それをやらない限りはいくらSIAM™だ、VeriSM™だと言っても「よくわからないから」と、また全部サービスインテグレーターに丸投げとなってしまいます。

企業が生き残って行くためには、これからの世の中を変えなければいけません。ベンチャー企業ならシステムもゼロからのスタートです。経営者の感覚も鋭い。しかし、レガシーな企業が生き残るためには、既存のITシステムをどうすれば自分たちの手で壊せるか、ということを考えなければなりません。それが正しいことはVeriSM™とSIAM™を学んだことで痛感しました。

 

中小企業と大手企業はいかがでしょうか?

手島さん:中小企業の方が遅れている、という感覚はあります。大手企業でグローバル化している会社は欧米と同じ感覚を持っています。

三浦さん:グローバル化している大手企業は変革していくと思います。しかし、日本市場のビジネスがメインのお客様は逆に進んでいません。

確かに中小企業は遅れていますが、中小企業の方が足が軽く、動けるところから取り組みを始めています。コスト意識は高いですし、クラウドの利用も大企業より中小企業の方が早い気がします。大企業になればなるほど、サイロ化が足かせとなり、なかなか進みません。

加藤さん:変革は無論簡単なことではありませんが、マイクロソフトでも常に変化に対応した変革を行っており、それを事例としてご紹介することもあります。例えば従来存在していた社内のIT部門は、マイクロソフト自身のDXをサポートするエンジニアリング組織として生まれ変わりました。実際以前より我々の業務に彼らが大きく関与してくるようになったと実感しています。

 

いまだに「クラウドは禁止」という大企業は多いです。

 三浦さん:私がクラウドを提案すると「SIerの仕事がなくなる」と言われますが、VeriSM™とSIAM™の考え方を活用すれば、SIerがやっていたことがサービスインテグレーターとして機能し、エコシステムという形で、SIer同志が協力しながらお客様のビジネスに貢献して行くというモデルが築けます。仕事がなくなるのではなく、新しい仕事が生まれる助けになるはずです。

 

SIAM™VeriSM™は多くの人が知っておくべき知識だと?

 三浦さん:キーマンやリーダーは資格を取るべきだと思います。そして、トップはVeriSM™とSIAM™があるということを知っておくべきです。サービスインテグレーターやサービスプロバイダーの役割が重要なのではなく、システムを発注するお客様の組織としてVeriSM™とSIAM™は持っていないといけない知識。これからは何も知らないから丸投げでは通用しません。VeriSM™とSIAM™のことを理解していることが大切で、経営層がVeriSM™とSIAM™の意識を持っていることが重要です。

 

手島さん:企業ではさまざまな部門がクラウドを利用しています。コンプライアンスやガバナンスという観点から見ると、VeriSM™とSIAM™を理解していないトップは危機感を持つべきだと思います。

もちろん、トップにVeriSM™とSIAM™の資格をとるべき、と言っているわけではありません。トップが意識を持っていないと、会社の変革を叫んでも進むわけがありません。トップ層がVeriSM™とSIAM™を知っているだけで大きく違います。

お客様にもVeriSM™とSIAM™は広めていきたいですが、マイクロソフトにも広げていきたいですね。特にマーケティングの部門に。マーケティングにもVeriSM™とSIAM™は役立つ知識です。

 

今後の目標などを教えてください。

 手島さん:今後、さらにSIAM™とVeriSM™の考え方をアセスメントに取り込んで行く方針です。また、賛同してくれているパートナー様や、従来の協業スタイルで止まっているパートナーの視点も変えて行きたい。そして日本のDXをもっと推進させて行くために、「VeriSM™とSIAM™の考え方でやって行かないといけない」ということを広めて行くことが目標です。

三浦さん:社内に対しても、お客様に対してもいつでもどこででも啓蒙活動ができるようにし、我々はコンサルである、という面を強く押し出したいと考えています。さらにはVeriSM™とSIAM™のコンサルまでできるになる必要があると考えています。

加藤さん:マイクロソフトテクノロジーセンターはお客様向けに数多くのセッションを行っていますので、SIAM™とVeriSM™を訴求する場としても活用できるよう、お二人と協調しながら進めたいと思います

 

 

【プロフィール】

手島 伸行氏

日本マイクロソフト株式会社
マーケティング&オペレーションズ
ソリューションアセスメント推進本部 本部長

 

三浦 俊平太氏

日本マイクロソフト株式会社
マーケティング&オペレーションズ
ソリューションアセスメント推進本部 部長

 

加藤 寛二氏

日本マイクロソフト株式会社
クラウド&ソリューション事業本部
マイクロソフト テクノロジーセンター
テクニカルアーキテクト

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